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ガッカリなんて言わせない!世界遺産”ストーンヘンジ”へ行こう!

今も多くの謎につつまれたストーンヘンジ。超巨大せきが立ち並ぶイギリス最大のパワースポットに触れる事ができるってご存知ですか?

イギリスといえば、何を思い浮かべますか?町を歩けばロイヤルファミリーや女王様のグッズを目にしますし、赤い電話ボックスやダブルデッカーを見るたびに『ロンドンにキターッ』という実感が湧いてきますよね。そして紅茶とお菓子のアフタヌーンティで素敵な時間を過ごしたいとか、お洒落好きな男性であれば紳士服の聖地サヴィル・ローで紳士用品を揃えてみたいと思うのではないでしょうか?


古い文化と歴史を持つイギリスですが、世界的に有名な古代遺跡『ストーンヘンジ』があります。約5000年前に作られた巨大な石の遺跡ですがいつ、誰が、なんの目的で作ったのか、その謎は長い時間をかけて徐々に解き明かされつつあります。しかし、今なお深い謎によって研究が続いている世界遺産ストーンヘンジ。

『古代遺跡に興味はないわ』とおっしゃる方もおられるでしょう。とてもよく分かります!なぜなら私もその一人。

何人かの友人に誘われても断っていたほど興味のない場所でした。しかし今ではすっかり”滞在中に行ってよかった観光地ナンバーワン・スポット”となりました。現地イギリス人からオススメされた『お得なストーンヘンジの楽しみ方』で見て、触れて、体験して思いきり世界遺産を堪能してきました。

※現在はコロナウィルス感染防止の為夏至・冬至のイベント情報が確認できませんでした。訪れる際は現地の情報、旅行会社などへ確認を行ってください。


ある日、マットはこう言った『冬至にストーンヘンジの入場料、無料になるよ』

直立巨石が門状に組み合わせられ円状に並べられた巨石群、それがイギリス最大のパワースポット『ストーンヘンジ』です。古代文明やスピリチュアル好きならぜひとも訪れたい場所ですが、そうでもない人にとってはマストな観光地ではないかもしれません。インターネットを開けば高評価とともに『ガッカリした』というワードもヒットします。


スピリチュアルにもパワースポットにも興味が薄れた40代としては、ただの大きな石を眺めに貴重なお小遣いをさくなんて選択肢はみじんこほどもありませんでした。また、ストーンヘンジを訪れた友人たちの意見もパッカリと分かれ、絶賛する人とイマイチという人はちょうど半々と言ったところ。ただの石を眺めるために交通費と入場料を支払うと思うと『行かなくてもいいや』と思っておりました。


そして留学も残すところあと2ヶ月となった段階で、ロンドンで友人となったマットくんがこんなことを教えてくれました。

『ストーンヘンジ、無料で入れるんだよ。夏至冬至にはね』

無料!?無料!!なんと無料とは!?

一体どういう事なのかと問い詰めると、ストーンヘンジは夏至と冬至の特別な日にはストーンヘンジに無料で!しかもサークルの中に入り、石にも触れるらしい!という情報を提供してくれました。

なんでもストーンヘンジには『夏至祭』というものがあるようです。夏至の日はヒールス・トーンと呼ばれる巨石と中心に置かれた祭壇石を結ぶ直線状に太陽が昇るそうです。夏至の日には数々の儀式が行われてきたらしく神聖な日として開放されています。

また、冬至も同じく長い冬の終わりを告げる日としてとても神聖な日とされ開放日となっています。

どうせだったら何か『お得感』が欲しい、そして今は冬至まであと3週間!行ける!行ってやる!!

そんな私の気持ちが刺激され『冬至の日、夜明けをストーンヘンジで迎えよう!計画』というお一人様プロジェクトを立ち上げたのでした。

※現在はコロナウィルス感染防止の為夏至・冬至のイベント情報が確認できませんでした。訪れる際は現地の情報、旅行会社などへ確認を行ってください。


いざ行かん!ストーンヘンジへの道

1旅の始まりはWaterloo駅から

冬至前日、私はまずロンドンのWaterloo(ウォータールー)駅に到着。広い構内には郊外に向かう列車がずらり並んでいます。事前に買っておいた電車のチケットを確認し、電車に乗り込みました。


出だし順調!と思いきや間違った電車に乗り込んでいることに気付き慌てて移動するというハプニング。どうにか正解の列車に乗り込み約90分の旅を楽しみました。

到着したのはこじんまりとした石造りの駅舎が印象的なSailsbury(ソールズベリー)駅。駅を出て左に少し進んだところにストーンヘンジ行きのバスが出るバス停(?)を発見。バス停というより、バスの時刻表が貼っているだけ・・・だけど、バス停です。時間を確認して明日に備えようと時刻表を見た私は青ざめました。

『10:00からのバスしかない・・・?』

いくら冬のイギリスとはいえ、夜明けが10時なわけがありません。バスがダメなら、タクシーを手配しなければならないのか??自問自答が続きます。

自分が冬至に照準を合わせていた為、当然のようにバスだってあると過信していた私にとってしょっぱなから出鼻を挫かれました。いや、最初に電車を間違えた時から何かの呪いにかかっていたのかもしれません。

呪い・・・ストーンヘンジの!?

いやいやいや、日本からきた40過ぎの女に呪いをかけるほどストーンヘンジの神様は暇じゃない。そんな事はみじんこ並みの脳味噌である私にもわかる。そう、ただのリサーチミスです。

とりあえず、手配したホテルに向かうべく歩き出しました。道中、食糧を確保しようと川の向かいに見えたスーパーに向かうも道が複雑すぎてなかなか辿り着きません。一泊分の荷物と一眼レフカメラを詰め込んだバックパックが肩に食いこみ重い!

『やっぱりこれも呪いか・・・』どうしても神様にかまって欲しい欲望が顔を出します。神様にはそんな暇はありません。

そうしてようやくたどり着いたスーパーでは同じようなことを考えたであろう旅人たちによってお惣菜は買い占められた後でした。泣く泣く握り締めたパサパサのパンとハム、フルーツを握り締めてスーパーを出ると10分前には考えられなかった光景が広がっているたのです。

『ジャジャ降り』と形容するに相応しいどしゃ降りでした。身動き取れないほど重い荷物、片手に抱えた食糧、その状態でカバンから傘を取り出す難解さ。

『え・・・やっぱり呪いなの?』呪いではなく日頃の行いです、という事は認めたくないのです。

雨に打たれながらもようやくホテルに到着し、強面のお兄さんにビクビクしながらも無事にチェックインしたのでした。



2呪われた一人旅と思いきや・・・

ホテルはソールズベリー駅から徒歩10分以内の川沿いに位置するザキングスヘッドインウィザースプーン(The Kings Head Inn Wetherspoon)

こじんまりした一人用の部屋に大きなバスルーム、センスのいい落ち着いた色調のモダンなお部屋でした。階下にはパブもあり大変便利です。

一息着いたところで、洗面所に行き手を洗い水を流そうとしたその時でした。

『水・・・どうやって抜くんだろう・・・』たまった水を眺めながら漠然とした疑問を洗面台に投げかけてみました。

本来、水を抜くためにどこかしらにレバーがあるはず・・・しかし見当たらない。上から覗いても横を見ても下から見上げてもナイものはないのです。しかし、水が抜けないと困ります。30分ほど一人で格闘した結果、答えを見つける事ができず呆然とした脳裏に浮かんだ言葉はやはりコレでした。

『これは・・・本当に呪いなのか・・・』なんて地球の平和のために活躍したことも悪の組織に立ち向かったこともないくせに神様に呪われようとはあつかましいという事はすっかり頭から抜け落ちているのでした。

仕方なく、フロントの強面のお兄さんを恐る恐る呼びに行き、事情を説明したところ不信感満載の表情を浮かべながら洗面所を見てくれました。

おもむろに洗面台のたまった水の中に手を突っ込むお兄さん。

中央に見える円状の銀色の栓を押したその瞬間でした。

キュポン、ジャー

と水が流れて行ったのでした。引いてもダメなら押してみろ、そうです。押せば栓が上がり水が流れるのです。

拍手喝采で感動してる私を困った笑顔で見てくれたお兄さんは『何かあったらいつでも言ってね』と言い残し部屋を後にしたのでした。部屋もスタッフもとても素敵なホテルでした。

3捨てる神あれば拾う神あり

一息着いた頃、ストーンヘンジへどうやって向かうかを考えねばなりませんでした。通常の定期バスを使うと夜明けには間に合わず、料金もかかってしまいます。日帰りでも可能なストーンヘンジにホテルまでとった理由は朝日を見るためなのですから。

しかしインターネットで調べても日本語では有益な情報は手に入りません。

そこで、マットくんから送ってもらったEnglish Heritage サイトを確認してみたところ、早朝の特別バス運行の情報を発見したのでした。

早朝6時半、近くのバス停からストーンヘンジ行きのバスが運行されることを確認することができました。

どうなることかと思ったストーンヘンジの旅ですが、洗面台の水と共に私の自己暗示的呪いも流れて行ったようです。



4ストーンヘンジに行くぞ!

早朝6時半、冬の最も深まる冬至、イギリスではまだ朝の気配を感じる事はできません。前日に降り続いていた雨は傘がいらない程度に小雨になっていました。吐き出す息は白いものの、興奮からかそれほど寒さを感じませんでした。オレンジ色に光るホテルの玄関を後に真っ暗な道を約100メートル先のバス停を目指します。

バスは約30分ほどかけてストーンヘンジを目指します。その間、途中停車し次々とこの日を待ちわびていた人々を乗せ到着する頃には満席になっていました。

最初に到着するのは『ストーンヘンジ・ビジターセンター』

ここで、入場の時間を待っている間にトイレを済ませることをお勧めします。

ストーンヘンジまでは約2-3キロの道のりですが、歩いて行くかシャトルバスを利用するかを選ぶことができます。

面白い衣装を身につけた人も多かったので、私も紛れ込んで歩くことにしました。

見渡す限りの平野と群青色の空に星と月が浮かび上がる空を見上げた時、雨が止んでいることに気付きました。そのせいか一層空気が澄んで空の色がとてもきれいに見えたように思います。

※現在はコロナウィルス感染防止の為、夏至・冬至のイベントは開催されていません。訪れる際は現地の情報、旅行会社などへ確認を行ってください。

圧巻のストーンヘンジ!たいしたもんだよ巨大遺跡!

しばらく歩き、人々がやや興奮気味に向かう先に黒い影が姿を表します。一歩足を進めるごとに大きくなる影がそう、『ストーンヘンジ』でした。
普段なら柵の中に入ることができませんが、この日は続々と人々が柵の中、そしてサークルの中に入っていきます。柵の手前で見たストーンヘンジとサークルの中で感じたストーンヘンジは全く異なります。

その石の大きさは圧倒的で、びくともしない頑丈さに加え見上げた時の圧倒的な迫力。手にひんやりと当たる石の感触を確かめながら古代の人がどうやってこの巨石を立てたのかをしげしげと考えてしまいました。

また、サークルの中から見る景色は圧巻です。巨石が中央に向かって、まるで覆いかぶさるように見えるのです。そして石の間から見えるソールズベリー草原はどこまでも無限に続いていくような錯覚と、ストーンヘンジが世界の中心で自分自身が世界の中心にいるかのような感覚になるのでした。

夜明けをたくさんの人と待ち、そのうちに歌い出す人々がいたり、音楽を奏でる人がいたり、寸劇が始まったりとしているうちに夜明けの瞬間を迎えました。力強いオレンジの陽光が巨石の間から差し込んできます。

白かった徐々にオレンジ色に変わり、新しい季節の訪れを知らせる冬至という日が古代人にとってどれほど神聖で、待ち望んでいたのかという気持ちを共有できた気がしました。

特別な時間を共有した人々の雰囲気はとても平和的で、なぜか目が合うと微笑み合うというピースフルな現象が起こります。

おかげでお一人様旅行にもかかわらず、何人かの人から『写真撮ってあげるよ!』と声をかけてもらいました。

壮大なストーンヘンジで夜明けを迎えた体験は、私のストーンヘンジを見る目をガラリと変えまた機会があれば再び訪れたいお気に入りのスポットとなりました。

※現在はコロナウィルス感染防止の為、夏至・冬至のイベントは開催されていません。訪れる際は現地の情報、旅行会社などへ確認を行ってください。


ソールズベリー観光もおススメ!

また、ストーンヘンジを見て帰るだけではもったいない!ソールズベリー観光もお勧めです。古い街並みが残るソールズベリーは決して大きな街ではありませんので歩いての観光にもってこいの場所です。私はこの街で食べた『イングリッシュブレックファースト』がお気に入りでした。


そしてソールズベリー大聖堂は英国で一番高い尖塔を持っています。



郊外にちょっと足を伸ばせば見ることができるオールド・セーラム

こちらの遺跡はソールズベリーができる前に王宮や大聖堂があった場所です。

広々と広がる草原に小高い丘、そして積み上げられた石の城跡が残るノスタルジックな場所でした。

『進撃の巨人の壁外調査してた兵士の気分ってこんな感じ?』とオタクの妄想力をフルに発揮し独り楽しんでみた思い出の地です。


現在は『サークル内入場ツアー』でストーンヘンジを身近に体験できる!

朝夕どちらかでストーンサークル内に入場できるツアーが行われているようです

ストーンヘンジについての知識を簡単に説明してくれています。

日本人向け現地の情報誌『ジャーニー』

※現在はコロナウィルス感染防止の為、夏至・冬至のイベントは開催されていません。訪れる際は現地の情報、旅行会社などへ確認を行ってください。


まとめ

今回のことで強く感じた事は『百聞は一見に如かず』という事でした。自分の予想を上回る体験というのは、普段自分自身が選ばないものの中に潜んでいるのかもしれないという新たな発見でがありました。

大人になって、様々な経験を通してきたからこそ硬くなっている頭を柔軟にする大切さに気づいた経験でした。

みなさまも『百聞は一見に如かず』で新しい体験を楽しんでくださいね。